………… …… … 「神崎千尋!」 校長に名前を呼ばれたあたしは、大きな返事をした。 「――…卒業おめでとう」 あたしは差し出された卒業証書をしっかりと受け取った。 …やっとあいつらから開放される。 …それしか頭の中にはなかった。 席についたあたしの瞳からは、涙が一粒こぼれ落ちた。 それはみんなが流している涙と少し違った。 ……悲し涙なんかではなく、嬉し涙だった。 その光景をみていた者がいたなんて、このときのあたしはまだ知らない…。