「姫歌ちゃん、落ちつこっ!?」

「落ち着いてなんか、入れませんっ!!」


姫歌ちゃんは、あたしのことを本気で心配してくれていた。

だから、こんなにも怒っているんだ。


「あたしはね、白鳥くんに脅されてるんだ。

 本当は、ずっと拓真が好きっ!!」


「その言葉は、信じていいんですよね?」


「もちろん!!」


姫歌ちゃんは電話を切った。


あたし、姫歌ちゃんに気がつかされた。


あたしはまだ、拓真のことが好きだ。

心に鍵をかけ、気持ちを封印していたつもりだったけどーー...


気持ちを抑えつけようたって、そんなの無理だ。

忘れようって思ったって、そんなの無理だ。


だって、あたしはずっとーー...
拓真が好きなんだから。