涙恋~片思い恋愛〜

「あんたって、相変わらず、サイッテーー!!」


美奈は、白鳥にそう大声で言うとーー...

涙を流しながら教室から出て階段を駆け下りていった。


どこが、最低なんだよ。

白鳥の味方に着きたいなんて、これっぽちも思わない。


だけどな、付き合ってるやつにキスされてーー...

最低って言ってーー...


そう思わなくちゃいけないはずなのに、不思議と笑みがこぼれる。

美奈が、白鳥のキスを拒んでくれたこと。


本当なら、喜んではいけないはずなのに、嬉しくなる。

笑みがこぼれそうになる。



片思いって、なんだか不思議だな。

つらい現実を見つけてもーー...

ちょっとした、自分に有利になることを見つけるだけで、妄想してしまう。

両想いになれるんじゃないかって考えるだけで、胸が飛び跳ねる。