「うっ....怖かったよー...」


白鳥くんに抱きしめられるたび、どんどん涙があふれていく。


「もう、大丈夫。

安心して。」


白鳥くんは、あたしの耳元でそう囁いて、もう一度、強く抱きしめた。

まるで、あたしのことを安心させるかのようにーー...


「白鳥くん、お母さんみたい。」


あたしは泣きやんだ後、最初にそう思った。


「お母さんってー...

せいぜい、お兄ちゃんぐらいにしてくれよ。」


白鳥くんは、抱きしめていた手を離しながら、苦笑していた。



「あはは、あたしと同い年だもんね。

そう言えば、なんでこんなところに来てるの?」



ここは、競技スキーに出る人が練習するところだって言ってた。

白鳥くんがスキーが上手いって聞いてたけどー...

そんなに上手いの?