「送ってくれてありがとう。私の家はここだから。」


大きくもなくて小さくもない普通の家。


「…なんか普通の家だな。」

「失礼ですね!!」

普通の家で悪かったですよ。

レンくんの家だって普通でしょ?

「…お前ん家、電気もついてなくて、真っ暗だな。」
レンくんがなんで?と聞いてきた。

「私の家、お母さんの仕事が忙しくて朝早くから出発して、夜遅くに帰ってくるの。お父さんは私が小さい頃に事故でいなくなっちゃって、お姉ちゃんは夜まで遊んでるからだいたい1人なの。だから私がしっかりしなきゃいけないからお母さんの言うことは絶対に聞いてるよ。」

なんかいきなり自分の家のことを普通に教えちゃった。

「じゃあ寂しいだろ?俺様が帰ったらメールしてやる。光栄におもえ。」

言ってることはふざけてるけど、優しい表情でだった。心配してくれてるのかな?なんか、嬉しかった。



「じゃあ、家帰ったら、電気つけろよ。それを見たら安心して帰れるから、電気がつくまでここにいる。」


そして私の頭に手をのせ、ポンポンと優しく叩く。
その行動に胸がドキドキしてしまった。

これって……

まさか、逢ったばっかりの人に恋におちるなんて、あるわけないよね。

…恋?

「なーにボーっとしてんだよ。じゃあな。」


私はハッとし、ありがとう!と手を振り、走って玄関のドアを開ける。

まずは二階へ上がり

電気のボタンを押した。
これで安心したかな?

そしてスクバからケータイを取り出しベッドにダイブする。

ケータイを開いた瞬間

『ブーブー』とバイブの音がなりビックリした。
メールが来てたのか。

佳奈からだ。

【レンとの帰り道はどうだった~?(ニヤニヤ
あんた鈍感だから恋に落ちてもわからないからね~まぁ明日はがんばんなよっ!!レンは人気だから取られちゃうわよ!!】

…なにこれ。

はぁー…恋?逢ったばっかりなのに、まぁ逢ったばっかりっていうか、初めて話したのほうがいいか。

一応佳奈にドキドキしたこととか言ってみようかな?恥ずかしいけど。

【さっき、レンくんが優しくしてくれたときにドキドキしたんだけど、これって恋かな?】

…送信していいのだろうか?

あぁ~何言われるかわからない!よし、文に間違えがないか調べてみよう。
あれ!?なんで待ち受け画面に?

まさか、送信しちゃった!?送信DOXを見なきゃ!!
…送信してある……