「李子は相変わらず哲平だけには甘いね」 「佐里!」 永田佐里(ながたさり)。 高1のときに知り合ってから高2の今でも仲良し。 佐里は私が哲平のことすきなことも知ってる。 「甘やかし過ぎはいけないからね」 「わかってるよ」 わかってるけど、哲平前にしたら断れない。 「早くくっつけばいいのに」 じれったい、そう言いながら手足をじたばたする佐里。 私だって欲がないと言えば嘘になる。 でもきっと哲平は私のことはただの幼なじみとしか見てない。 哲平の"特別"にはなれないんだ。