保健室から出た健は、鼻歌交じりで美術室に向かう。
そうして、デッサンのモデルになって待っていた匠と合流し帰路に──健は学園の寮に入っているのだが時々、2人で商店街に立ち寄る事がある。
「よう匠!」
さっそく、文房具屋の店主が匠たちに声をかけた。
「やあ、橘さん。お元気ですか」
50代半ばだと思われる男性に微笑む。
「おう! 何かいるものあるかい?」
「いえ、今はありません」
「そうかい、またな~!」
遠ざかる匠たちに手を振った。
匠の父は自警団の団長でもあるため、町内会でも名は通っている。
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