「匠くん、どうしたね」 学園長が入ってきた匠に声をかけ、彼はそれに一礼してニコリと笑みを浮かべた。 「実は中庭の花崗岩についてなのですが」 「! 花崗岩? そんなものが中庭にあるのかね」 「学園長も知りませんでしたか」 「うむ……では調べてみよう」 「お願い出来ますか」 「……」 淡々と続けられる会話に志保は目を白黒させていた。