私達は一旦外へ出た。
校舎の中は不気味なぐらいひんやりしていて
変に気味が悪かった・・・。
「ねえ、この服着てみない?結構かわいいし」
優美が言った。
確かに興味はある・・・。
何かいやな予感がしないでもない。
私がそんなことを考えているうちにほかの4人は着替えを始めていた。
私も着替えるか・・・。
全員が着替えを終えた。
1つ気になるところがある。
なぜ、みんな同じ服ではないのか?
しかも、ちょっとオシャレな普通の普段着っぽい・・・。
別に私以外は気にしていないみたいだが・・・。
実希が楽しそうに言った。
「カワイイー!こんなカワイイ服着たの初めて!」
実希の服はレトロなワンピースに茶色の革ジャン。
この真夏に着てもこの場所なら暑くないっていうのが不思議だ。
恵のもかわいいって感じ。
私と優美と愛奈のはカッコいい感じ。
簡単にいうと、スカートかズボンかって事。
でも、着替えたからって何か起こる訳でもなさそうだ。
「もう一回入ってみる?」
私は言った。
愛奈以外は賛成だったから行くことになった。
私達はさっきよりも早足で学校に入った・・・。
ちょうど、2階に着いたときだった。
ビーーーーーー!!!
「何・・・!!?」
愛奈は腰を抜かした。
冷静に実希が言った。
「スピーカーからだよね?」
まるでその言葉を聞いてたかのように放送はつづいた。
「そうです。我々は現在、放送室からあなた達にこの声をお送りしています。
この校舎からもうあなた達は出ることができません。
5人にはあるゲームをしてもらいます。
その様子を校舎のいたるところに設置してあるカメラで善良なる金持ち紳士、淑女達に
あなた達のゲームを見物してもらいます。」
ロボットが喋っているようだった。
そんな事より、こいつらは何を言っている・・・?
「何言ってんの!?ふざけんな!そんな事するわけないじゃん!」
恵が興奮気味に言った。
ゲームと言っているが、ただのゲームではないことが分かる。
愛奈と優美は固まっている。
私はスピーカーに向かって言った。
「ゲームって何・・・!!!」
「今から説明します。
ゲームの内容は、今あなた達の持っているその紙。その紙でロボットと戦ってもらいます。
紙には・・・」
「は!?ロボットと戦うってどういう事!?」
恵はさっきと変わらない様子で問いかけた。
だが、聞こえていなかったように話を始めた。
「1人5枚ずつ持っていると思います。
種類は、功、守、身、治、開。
ひとつづつ説明していきます。
まずは功。ロボットに攻撃できます。使い方はロボットにかざすだけです。
守。ロボットからの攻撃えを防ぎます。自分達の前に出せば勝手に守ってくれます。
身。分身を作ることができます。胸の辺りにかざせば紙が分身に変わります。
治。ケガを治します。ケガをした箇所にかざすと治ります。
開。壁、鍵の閉まってるドア、窓にかざすと通る事ができます。
うまく使わないと、ロボットに殺されるかもしれないので気をつけてください。」
・・・!?
今なんて言った?殺される・・・?
みんな当たり前だが、びっくりしている。
優美が小さい声で言った
「やるわけないじゃん、早く帰ろう・・・。」
みんな同感だ。
その瞬間、階段を全員で駆け下りて下駄箱まで全力で走った。
先に着いた優美がドアを開けようとした。
「!?開かない・・・!!!なんで!?開かない!なんで開かないの!?」
あ・・・・
「そういえばさっき、もうあなた達は出れないって放送で・・・」
私がそう言うと
「ほかの窓からは?出れるかもしれない・・・」
実希がそう言って教室のほうへ歩き出した。
みんなも必死に探す。