一方ルリ達はというと、閉店間際になると店を片付けるのに大忙しなのだ。



しかし、みんなが片付けにバタバタしている中ルリは、奥の方の角で壁面と向き合って立ったままピクリともしなかった。



「おい…ルリどうした?」



「に…匂いが…」



リクが匂いをかぐと、そこは甘くいい匂いだった。



「甘い、イイ匂いじゃないか?」



「うぅ〜…」



ルリの顔を見てみると、この匂いに耐えているかのような顔をしていた。



「フフフ」



リクは思わず笑ってしまった。



リクの笑う声につられて、他の従業員達もやってきた。



「リクさんどうしました?」



「いやね、ルリの顔があまりにも可笑しくて…こんなイイ匂いに包まれてるのに真っ青になってる…フフ」



「おっ本当だ」



ルリの顔を見たさに花怜も近くにやってきたのだ。