『山口さん』


すると後ろから口論する私たち親子を呼ぶ声がした


「あちらが先方の五十嵐さんだ…」



私に耳打ちをし父は立ち上がった


「いやー、お久し振りです」


父は恰幅の良い男性と談笑している


男性の一歩後ろには背が高くスタイルの良い男性が立っていた



ってアレ?



見た事ある顔…



五十嵐って??



「こちらが娘の華です」


父に紹介され私は慌てて立ち上がり頭を下げた


「はじめまして、山口華です」



顔を上げた瞬間






えええええええええええっっっ!!




私の目の前に立っていたのは



私が働く五十嵐商事の会長と社長だった