「誰だっけ? 今日の事は今日片付けろって、局長に毎日小言を言ってる人は」

「局長の仕事は毎日片付けてもらわないと皆が迷惑するけど、そこが片付いてないのは私にしか迷惑にならないからかまわないのよ」


 やはりロイド先生の言う通り、口でフェティに勝てそうな気がしない。
 シンクの中で器具を種類ごとにまとめながら、聞こえるようにつぶやいてみる。


「洗い物を放置して、危ない細菌とか繁殖したらまずいんじゃないかなぁ」
「あぁっ! それで思い出したわ!」


 突然、大声を上げて振り向いたフェティは、ランシュの手前を指差した。


「そこの殺菌装置に入ってる奴も戸棚に片付けておいてね」
「はいはい」


 どうやら危ない細菌関係はすでに殺菌済みらしい。