何も問題はなく、すぐに面会室へ案内してもらった。
 当然だ。
 こんなくだらない事で、ヘマはしない。

 刑務所は内部も、どことなく科学技術局に似ていた。
 明るく真っ白な廊下を、案内の刑務官に続いて黙々と歩く。
 廊下の両脇は壁で、外は見えない。
 一見殺風景だが、いたる所に監視カメラや赤外線センサが設置され、見えない監視の目を光らせていた。

 突き当たりを左に曲がり、少し行ったところにある扉を開くと、案内人はランシュを中に通した。

 真っ白い壁に囲まれたその部屋は、十歩も歩けば正面の壁に突き当たるほどの狭さだ。
 左手にはそれぞれの角に一人ずつ刑務官が立っている。
 ここも監視カメラと赤外線センサが、刑務官と共に睨みをきかせていた。

 右手は上半分が強化ガラスで出来た壁で、その前にカウンタがあり、丸い椅子が数脚置かれている。
 ガラスの向こうにも同じようにカウンタがあり、その向こうの白い壁には重そうな鉄の扉があった。

 ランシュは促され、カウンタの前に立つ。
 程なくガラスの向こうの扉が開き、刑務官が入ってきた。