バイナリー・ハート 番外編



 しばらく睨み合った後、ロイドは苛々したようにランシュに尋ねた。


「どこでなら脱ぐんだ?」


 ランシュは無邪気な笑みを、満面に湛えて答えた。


「女性と二人きりのベッドルームでなら」


 ロイドは顔をしかめて、すかさず額を叩く。


「ふざけるな。女を抱いた事もないくせに」


 額を押さえながらランシュは、ムッとしたように反論する。


「決めつけないでください」
「じゃあ、あるというのか?」
「ナイショです」