女の考える事など、見当もつかない。


「女心って、分からないなぁ」


 うっかりつぶやいたところを、すかさず先生に突っ込まれた。


「なんだ、いきなり」


 ランシュはハッとして、思考回路を一本化する。
 今は科学技術局で仕事中だった。

 コンピュータに向かい、ロイド先生から任された制御用プログラムを作成している真っ最中だったのだ。

 作業内容は仕様書を確認しつつ、その通りにプログラムを作成するという、ランシュにとっては単純作業だ。
 人工知能をフル稼働させるほどの事でもない。

 思考と動作制御を分割し、マルチタスクで動いていたのだ。
 片方では仕事を行い、もう一方でユイの出した課題に取り組んでいた。