結衣の耳元に顔を近付け、かすれた声でランシュが囁く。 「ねぇ、ユイ。感じる?」 「ふふっ」 耳と首筋にかかる吐息がくすぐったくて、結衣は笑いなから首をすくめた。 「先生と比べて、どう?」 「同じよ。何も変わらないわ」 「じゃあ、こっちは?」 ランシュは結衣の手を取り、自分の身体に当てる。 手の平に伝わる、温もりと鼓動。 「一緒よ」 「これで、誰にもバレないね」 そう言ってランシュは、ニッコリ笑った。