その目は俺に何か言いたげだったけど、あえて追求することはしなかった。



「雅、ごめんね?行かなきゃ・・・。」


「おう。またいつでもメールしてくれよ。いつも通り。」

「うん。ありがとう。ライブ、本当によかったよ。これからも頑張ってね?」



「当たり前。頑張るよ。じゃぁ、またな。」



「ばいばい。」



未那と真宏さんが帰っていくのを見て、すごく寂しくなった。


いつもより多い時間未那と一緒にいられた。



そのことは何よりも嬉しい事だった。


でも、最後に未那のあんな顔を見て別れるなんて、むなくそ悪すぎだ。



涙の訳も聞くタイミングがつかめないまま、時間が過ぎていき、未那も行ってしまった。



まぁ、自販機のところで話せなかったんだ。



そこ意外にないと思って行って、結局話せなかったんだから。


両隣を見ると、いまだにモジモジしている二人がいた。



こいつらもこいつらだ。


俺たち三人がいなかった間に、少しは進展しろってんだよ。



「お前ら、いい加減にしろよな。」



「「え!?」」



声をそろえて仲がいいところを見せ付けて、それでもなお、顔を見合わせると二人して顔を赤らめる。


「あぁ!もうお前ら付き合え!めんどくせぇな!!」


俺が声を荒げて言うと、二人はそろって俺に目を向けた。


「それなんだけど・・・。」



直登が気まずそうに言葉を口にした。


そして、次の瞬間俺はもちろん、叫んだわけだ。



「ふざけんなよ―――――!??」