そういえば、高校に入ってすぐにギターを買ったんだっけな。バンドなんかやりたかったけど、誰も乗ってくれなかった。大体みんながみんなギターをやりたがる。ベースはちょっと無口なヤツで、ドラムは太ったヤツ。そう相場は決まってるのに、みんながみんなギターだ。
あ、僕もか。僕のキャラクターからして、やっぱりギターよりベースだよな。あのギターも、今では埃を被ってしまってるし。
やっぱり僕は、みちよの言うように一人で突っ走る傾向があるらしい。
放課後には、せせこましくワイシャツに隠してあったイヤホンをバカでかいヘッドホンに変える。音量MAX。そうして消化されたはずの僕のパッションは、今度は音楽のために再び燃え上がるのだ。
歩きながら、ほとんど無意識に肩でリズムを刻んでいる僕。商店街の薬局のガラスに映る僕は妙な歩き方だ。なんか、あれだな。カシャンカシャンとシンバルを叩くチンパンジーのおもちゃに似てるな。
と、そんな僕の姿にキャッキャッと大口を開けて笑う、同じガラスに映る見慣れた女の姿に気付く。

