「や、また会ったね。眠れなかったのかい」


「ん」


そんな会話(と言えるかはわからない返答をしてしまったけれどま)をしつつ、私は彼のきっかり隣に座った。

そのまま、じぃと自分の足を見る。


「……うん」


「うん?どうした、波になんか乗ってるか?」


「いいや、違うの」


やっぱり、お尻は同じ位置にあるのに彼の足に波は着いて私の足には全然つかない。


まぁ、たったそれだけのことを確認しただけだ。


「……?良くわかんないけど。なんか、落ち着いたみたいで良かった」


「そりゃ、一日も時間があればね」


ふ、と隣で笑う声が聞こえて、私もつられて笑った。


「なんか辛いことあったの?」


「ん、まぁね」


「話、誰かに聞いて貰えたんだ」


「……なんでわかったの?」


「辛いとき、それを誰かに聞いてもらうとスッとするだろ。君の顔さ、」


彼がそう言って言葉を区切るもんだから、私の顔に何かついているのかと思って自分の顔を触った。

けれども何もなくて、首を傾げながら彼を見る。

すると、目を細めて視線だけをこちらに向ける彼と目があって、何故だか頬が紅潮するのを感じた。


「昨日とは別人か、と思うくらいすっきりしていたもんだからさ。な、良かったな」


「…………あー、うん……」













(悪かったわね、腫れぼったい顔晒して!)

(けど、なんでだろう、)
(顔が熱い……、?)