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始まりはなんとなくだった。
どこにでも転がってるような【好き】からスタートしたあたし達の関係。
普通といえば普通で、アブノーマルといえばアブノーマルなスタートだった。
―――――――…
【好き】には多大な意味が含まれている。
それには真っ直ぐだったり、偏っていたり、あるいは一方通行なものもあると思う。
それも友情から来るものだったり色情から来るもの。様々ある。
…とにかくあたしが一言で言うのなら、
それは小さな頃から持ち続けた【己の自己満足】でしかない、ということだ。
そんな言葉を、こんな形で言われるとは思ってもみなかった。
現に今、状況が理解出来ないでいる。
「…凛」
「なに」
「…今なんて言ったの」
「好きって言ったけど」
「……」
自分が幼い頃から中学生になった今でも続いてる目前の男との関係は、
よくある話。…どこにでもいる【幼馴染み】だ。
それが今、どうしてこんな言葉を言われたのか。
全くわからない。ていうかなんで凛なのか。あたしに言ったのか。
…これ、罰ゲームかなにかをやらされてるんだとしか思えないんだけど。

