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あれから夕食も食べ終わって、結構時間が経ったと思う。
濡れた髪をタオルで拭きながらリビングに足を踏み入れれば。ソファからはみ出て見える凛の頭。
「…凛いつまでうちにいるの」
「長風呂だな」
「あたしが聞いてるんだけど」
「髪びしょびしょ」
「…だから」
髪が濡れてるのは仕方ない。お風呂上がりなのだから。
ちらり、壁にかけられた時計を見れば。短針は8時を少し過ぎていた。
「泊まっていくの?」
「俺が泊まっても友梨嫌がらないしなー。泊まろっかな」
「……」
拒否もなにもしないでおく。確かに何度か凛はうちに泊まってるけど。
家が隣なんだし、別にいてもいなくても距離感はさほど変わらないけど。
「友梨、こっち」
「…なんで?」
「いいから」
凛に呼ばれる。おいでおいで、瞳があたしに向かって呼び掛けてくる。
濡れた髪にバスタオルを被せたまま、ソファに歩み寄った。

