「悠哉先輩って、前の彼女と別れた時期がいちご先輩がフリーになった時期と一緒なんだよ。それに悠哉先輩なら作ろうと思えばすぐ出来るだろうに彼女作らないし。だから………」


りゅうはその先を言いにくそうに濁したけど、僕はその先を拾って言葉にした。


「…だから、悠哉先輩がいちご先輩を好き…?」






「う、ん…………あの、…うさ…?
お前、もしかして……




知ってたの、か?」








そう聞いたりゅうに首を振って違うことを示した。

でもりゅうはまだ疑ってるみたいで、きつい目線のままだ。






「野田ー!お前はやく並べ!」


けれど、運悪く(?)担任(体育教諭)がなかなか整列しないりゅうを呼びに来た。

そろそろ集会が始まるみたいだ。


「えっ、あっ、ちょっと待って!」

「なぁにが『待て』だ!背の順でお前がこんなに前なわけないだろ!」

「や、そうだけど…」

「ほら、行くぞ!」

「えぇぇ…」


担任が渋るりゅうを引っ張っていく。うーん、さすが体育会系だ。




























集会が始まって、いちご先輩が壇上に上がって話し始めた。

マイクを通してもきれいに聞こえる声で文化祭のことについて話していた。











ねぇ、りゅう



ほんとに知らなかったんだ。







ただ、『逆』ってあり得るんじゃないかなって、僕は最近思ってただけ。











いちご先輩が前の彼氏と別れた時期が、悠哉先輩がフリーになった時期とほとんど同じなんじゃないの?






いちご先輩だって、まだ3年生は居るのに彼氏は作ってないよ。















いちご先輩が、








悠哉先輩を好きなんじゃないの……?