ナツメ

ドアを開ける。

「あ。ご注文の、」

わたしの顔を見て彼が言葉をなくす。

汗をかいてる。
外は茹だるように暑い。


ゆっくりと息を吸い込んでから、彼は今にも泣きだしそうな目で笑った。


「おかえり」


そう言うと、彼は顔をくしゃくしゃにして笑って、そして言った。



「名前、なんてんだっけ?」




彼の名前はナツメ。

季節の夏に芽生えの芽。

わたしとナツメの夏がこれからはじまる。