そう思うようになってきたある日のこと。




いつも通り私は護と一緒に学校に向かっていた。




すると、草むらから




「にぁ〜お」




と可愛い子猫が出てきた。



「あ、可愛い!」




つい思わずなでてしまう。



幸いこの子猫は人見知りをしなかった。




「可愛い〜。
ねっ、護」




「そうだな」




微笑んで猫を撫でる私を見守る。




そんな護を見て、そろそろ私の胸は限界だった。




今日こそ護に告白しよう…。




何度かそう思ってはみていたけど、いざ言おうとなるといつもくじけてしまっていた。




けど今日はもう逃げない。



絶対に言う!




そう意気込んだ時だった。



「あっ……」




子猫が逃げてしまった。




しかも道路側に……。




「危ない!
おいで、いい子だから!」



車が来たら引かれる!




そう思い必死で手を叩いて呼んだ。




すると子猫は手の音に気づいたのか、振り返りゆっくりとこっちに戻ってきた。



ホッと安心して一息つく。



けど、油断していた。




向こうから大型トラックが近づいてきていたのだ。




「どうしよう、このままじゃあの子引かれちゃう!」



ゆっくりと歩いてくる子猫は、このままだったら確実に引かれるところだった。



「護、私のカバン見てて!」




「え、ちょっ、花蓮!?」



ひき止める護の声も無視して私は子猫のところへ走って行った。




「おいで、いい子だから…」




ゆっくりと近づいてそっと優しく抱き上げる。




良かった、おとなしい子で…。




これなら間に合いそう…。