恋の欠片

「少しはおちついたか?」


「・・・うん」


何分間

抱きしめていてくれたんだろう・・・

そのおかげで

落ち着いた

自分がいる


「何かあったか教えてくれ・・・」

祐君は

優しく

私の肩を掴み

自分から離して


私の顔をじっと見る


「キス・・・された」


嘘だろ・・・って

驚いた

顔をしていた


「まじで・・?」


「・・・うん」

祐君は

急に

立ち

私までもを立たせて

洗面所に連れて行かれた



「洗顔ってどれ?」

少し
不機嫌な声で

祐君は

聞いてきた

これだよって
教えてあげたら

祐君は

すぐさまに
自分の手に

つけて

私の
唇に
塗ってきた


「!!」

私は
抵抗というよりも

驚きで
びっくりだった

こんな事したって

キスしたって事実は変わらないのに・・・


「消毒しないと・・・」

祐君の手が
どんどん
強くなる

痛くて

痛くて

また
泣き出してしまった


自分の心も

唇も

何もかもが

痛い
苦しい

辛いよ


「なっ!!痛かったか?」


私は頷いた

「ごめん」

そういって

祐君は
すぐさまに

水で濡らして

拭いてくれた


「ありがとう・・・。」


涙は止まらない


キスの感触がまだ
残っている

相手があの人っていうのだけでも


はきそうになる

よく知りもしない

人にキスをされた


その事実は

どうやっても

消えないんだ・・・


私は泣き顔を見られたくなくて

下を向いた

「涙・・・止まんないな」

そういって

私の頬を触り

涙を拭いてくれた

祐君の顔は

涙で潤んで見えた

でも
どことなく

悲しそうな顔をしていた


「キス・・・初めてだったのに・・・・。」

私は

涙の止まらない

顔を

思いっきりあげて

祐君に叫んだ

「祐君とだったらまだ良かったのに!!」

本当に

そう思った

知らない人よりは
まだましだった

でも

その言葉を
言った

私は

本当に

バカだと

思った


「んっ!」

祐君にキスされた・・・


「これが初めてだ。みなちゃんにとってこれがファーストキスだ。」


私の肩を揺らして
言ってくる

祐君の目は
顔は

ものすごく
真剣だった


「・・・」


「みなちゃん・・・。俺の彼女になってよ」

祐君は

今にも泣き出しそうな目で言ってきた

その目に

引き込まれたのか

分からない

でも

彼女になってもいいかもって

思った・・・。


「うん・・・。」


その返事と共に

祐君は

もう一度

私に
キスしてきた


「嬉しい!!ありがとう」

満面の笑みで

言ってくる祐君をみて

私まで

嬉しくなった