それに……
キョウちゃんからは、その後何の音沙汰もない。


『練習に専念してぇから、その他のことはオマエに任す。連絡してきたら……ただちにコロス!』



こんな恐ろしい悪魔のメールが届いたから、私はお言いつけ通り、彼に一切連絡を取らずにいたのだ。




――触らぬ神に祟りなし。




キョウちゃんと関わらなければ、イヤなことも起こらないし、ストレスはないしで毎日がハッピーデイ!


あれから三週間
私は毎日が薔薇色の素晴らしい生活を取り戻すことが出来ていた。




拓真くんとの楽しい会話に
綾音との楽しい女子会


そして楽しい、家族団らん




楽しくて、楽しくて
私は何も気づいてなかった。





その裏で……
彼がどんなに苦しんでいたかだなんて、鈍感な私は何一つ、気づいてあげることができなかったんだ……。