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「・・・・ごめ、ちょっと言っている意味がわからない」


柚希は、姉の咲子に再度尋ねた

柚希がミントティーを1口か2口しか飲まないうちに咲子がやってきて、今こうして向かい合わせで話をしている

だが、きっと今自分は青ざめた顔をしているに違いなかった



「だから、匠とあの人を会わないようにして欲しいって言ってるのよ。きっと匠のことだから、あなたのことを頼りにしてくると思うの」



「・・・いや、姉さん、俺が聞きたいのはそこじゃなくて、匠と片田が付き合ってるって、なにかの間違いじゃないか?」



さっきからドクドクと嫌な心音が、柚希の耳をうるさくしていた


・・・マジで、なに、言ってんだ、、、、


咲子は二度も口にしたくないとでも言うように、声を荒げて言った


「何度言わせるの!とにかくあの人が受験前の匠をたぶらかした証拠があるんだから、あなたはわたしがお願いした通りにしてくれればいいのよ!

クラス会であなたがあの人に会おうがそれは知らないけど、匠には今後一切近づけないでって言ってるの!!」


普段は大人しいゆえ、初めてこんな姉の姿を見た気がする

相当の怒りを李生に覚えているらしかった

だが、柚希にはまだその事情が飲み込めていなかった


「しっかりしてちょうだい、匠は大事な受験を控えているんだから。あなただって、それぐらい協力できるでしょ?

まったく、これから優秀な家庭教師を探すのにどれだけ手間がかかると思ってるのよ!あの人は有名な学習塾の講師も手がけているから、信頼してたのに!!」


咲子は唖然としている柚希を叱咤するように言った

それから咲子は、思わず政宗の店で取り乱してしまったことに気づき、慌てるように身なりを整え、李生のアドレスを書いた紙をテーブルに置いた


そして会計で政宗と二、三言葉を交わして店を出て行った

柚希はただ呆然とその咲子の置いていった紙を見つめるしか出来なかった