柚希はよろけながら、バスルームに向かう

酒で火照ったあたまとからだを、熱いシャワーで慰めたかった

小さな室内
ほんの数距離が、酔でうまく歩けない

うまく衣服が脱げない


半ば飛び込むようにして、裸体をバスルームにすべり込ませる

そして思い切りシャワーの水栓をひねる


ジャー・・・・・・


熱すぎるとも言えるシャワーを全開にして、粒子の圧力で叩きつけるように頭から全身を濡らした




馬鹿か俺は

こんなにもこんなにも

片田が好きだなんて



ほんの少しの再会で

こんなにも生活を乱して

自分の気持ちもコントロールできなくなって



おかしいだろ

もう10年も前の恋愛なんだぞ

なのになのになんでこんなに苦しいんだ