「じゃ、スッキリしたのか、少年(笑)」


東吾はふざけて、匠の顔を覗き込んだ


「・・・・えっと、、、」


な、なんだよ、まだあんのかよ

匠はさっきの安堵の表情をまた曇らせた


結構めんどくせーなこいつ

東吾はさっさと匠と別れて、研究室に帰りたくなったが

すがるような眼差して匠が見返したから「あとなんだよ」と自分から言ってしまった


「・・・その年上の彼氏って、どんな人でした?李生さんから告白したんですか?仲良かったですか?なんで別れたんですか?」


めんどくせ~

東吾は心の中で深いため息をついていた



「・・・ん~、付き合ったきっかけは知らん。で、仲はたぶん普通。別れたのは姉貴がふられたんじゃね?

で、その人は、そう悪い人でもなかったと思う!以上!!これでいいか?俺はそろそろ、大学戻りたい!!」


「え・・・・」


「あ、いや」思わず東吾は本音を言ってしまって「だから、俺は子供だったし、本当に詳しいことは知らねーんだよ。

ただ、会ったときは、いつも話しかけてくれた気がするし、だからそう悪い人じゃなかったと思うってだけ。

あ、あと、俺はもうホント研究室に戻らなきゃいけない時間だから。

とにかく匠、今は受験勉強頑張れよ」と締めくくった