東吾はこういう微妙な雰囲気が大嫌いだった

さっさと真相を知って、すっきりしたいタイプだった


「あのさ、誰連れ込んでんの?まさかとは思うけど・・・・」


と、東吾がその予想した人物の名前を言おうとしたとき、思い切り李生の部屋のドアが開いた


「す、すみません!!東吾先輩!お邪魔してました!!」


匠が出てきて、ぺこりと頭を下げた

匠のなりもなりで、今慌ててネクタイを締めたように襟元が崩れている



東吾は自分が帰ってきたタイミングの悪さを呪ってしまった

そして予想通りの人物に、あちゃ~、まじだよ・・・と目元を覆ってしまった



「お、おう、匠。久しぶりだな。来てたのか」


って、おい!!なんで俺も慌ててだよ、と苦笑いを浮かべる


この場をどう収めたらいいものか・・・・

匠は東吾の後輩で、李生を家庭教師として、匠の家に紹介したのは東吾自身だった