わたしたちは家に入るなり、玄関先から流れ込むように激しく互を求め合った

いつもはわたしが匠を抱いている、そんな気がする行為だったが、今日はすべてを匠に委ねた

匠のするそのすべてを受け入れた

ただ頭の中だけは、再会した柚希の顔がチラつく

さも柚希に抱かれているかのように、わたしは想像を巡らしている

今まで、何度こうして匠とからだを重ねたことだろう

だけど、今まで以上にわたしは柚希を求めていた


柚希、柚希、柚希・・・・



匠は、そんな哀れもない想像をして抱かれているわたしを、ただ満足させたい一心で

今までのわたしとの経験を思い出しながら、必死に抱いている

なのにもっと、もっと、もっと、激しく抱いて欲しい

わたしのからだは疼くばかり

全く満足できないの


わたしは匠にしきりに柚希を求めた


ああ、柚希、本当にあなたなら、もっとわたしは感じているわ

こんな子ども騙しの行為じゃ満足できない