「イタッ、痛い・・・ヤメテ」


頭を覆う腕にも、むき出しの足にも、体中、石の攻撃は止むことを知らない

わたしはうずくまってただそれに耐えていた

いつになれば終わるともわからない、大量の投石にどれぐらいの時間耐えていただろう

手元が狂ったのか、いやわざとか、誰かが「あっ」と言った瞬間に、石がわたしの右耳を直撃した


「痛いっ!!」ゴンという鈍い音が耳元でした

思わず頭を覆っていた右手で、右耳を触ると、ぬるっとした感触がした

見ずともわかる、耳が切れて出血したのだ


それを見て、一瞬で投石がやんだ


「なんか、やばくない?」

誰かが言った

「今の誰?」「あたしじゃないよ」「アンタでしょ」「ちがうし!」

ざわめく数名の女子生徒たち



「チッ、たく、今日はこれぐらいで済んだけど、またいい気になってたらこういう目に合うからね。さ、みんな行こう。ね、カラオケでも行かない?」


「いいね~、どこのカラオケ行く~?キャハハハハハ、そういえば!!」

「てか、何何?笑ってんの?」

「それがさ~超ウケるの」・・・・・


何事もなかったかのように、

まるでもうそこにわたしの存在がないかのように、

笑い声とともに川原の砂利を踏む無数の足音が遠ざかっていく