「・・・あたし、聖を好きになりたい」
瑠璃は自分の手を撫でていた聖の手をぎゅっと握った
「クスッ、どうしたの、急に」
「だって、聖はあたしのことすっごく大事にしてくれるもん」
「俺は優しいお兄ちゃんじゃなかったのか?」
「そうだけど、でも、聖ならいいかなって」
「クスッ、でも俺がお断り」
聖は、瑠璃が握っている手をもう片方の手で包むようにしてから、握られた手をそっと剥がした
「え!なんで!?」
「俺は可愛い妹とは、恋愛出来ないんだよ?」
「・・・それって、あたしのこと女としてみてない?」
「もちろん(笑)」
「ひどっ!聖なんて大嫌い!!もう帰る!!」
俺が瑠璃をからかって、それを真に受けて「帰る」と言いだすいつものパターン
もう慣れたものだ、瑠璃の性格もすべて把握している
「はいはい、お嬢様の仰せの通りに(笑)今タクシー呼ぶね、今日は店に寄らずに家に帰りな。少しゆっくりしすぎた。
俺もこれからまだ客の予約が入ってるし、瑠璃も勉強の時間に遅れたら、俺が社長に怒られるよ」
聖はウエイターを呼ぶと、タクシーを頼んだ
今日も長い子守を終えようとしている
本当の意味ですべてを終えて
この子守から解放されたとき、俺の心は晴れているのだろうか
それとも・・・・
だが、いずれにしろ
復讐は実行する
ただそれだけだ