李生は気づかれないように小さなため息をついてから


「はい、よく出来てるわ。がんばったね」


腹の底を隠すかのようにふんだんに笑顔を作って、目の前の生徒、今井 匠(イマイ タクミ)に答案を返した

わたしのようやく上げた目に、まだ褒められて嬉しい小さな子供のようなあどけない顔ある


ドキッ

その表情に、李生の心臓は時々小さなカエルのように飛び跳ねる



「先生、じゃあさ、よく頑張ったご褒美くれない?」



シャープなフェイスライン

なのに内部のつくりはとびきりキュートなベビー

大きな瞳は吸い込まれそうなぐらいキラキラと潤んで

漆黒の髪は近づくほどに、女の子のような艶と香りを放つ



・・・・・・この顔が好き