「っ!聖ったらあたしを馬鹿にしてんの!?」


ようやく夜景から目を離して、瑠璃は聖を睨んだ

しかし、聖はそんな瑠璃に怯むことなく更に微笑んだ


「う、そ、だ、よ。瑠璃がさっきから俺とも目を合わせないで夜景ばかり観てるから意地悪に言ってみただけだよ。

今はさ、俺と瑠璃の時間なんだから、俺と向き合いなよ、ね?」


「んもうっ、聖の意地悪、馬鹿。

・・・でも、ごめん。あたしってば、いつも聖に匠の愚痴ばっか言ってるね。
なんか、聖は話しやすくて、

あたしにお兄ちゃんが居たらこんな感じかなぁって思うんだ」




・・・・”お兄ちゃん”、、、か




久しぶりにその言葉聞いたな

確かに俺は兄だった

こうして向かい合って食事をすることも多かった

あいつの手料理はとても美味しくて、手先も器用な優しい子だった

それに目の前にいる瑠璃より、ずっと可愛く笑った

いつも自分のことより、俺のことをいつも心配してばかりで、どっちが上なのかわからなかった



もし、お前が今の俺を見たら何て言うかな


”なんて恰好なの”と腹を抱えて笑うかな



それともやっぱり


”お兄ちゃん、大丈夫?”って、俺の顔を心配そうに覗きこむかな





・・・・でも、大丈夫だ、心配するな



俺は、お前を苦しめた奴らを絶対許さないって決めたんだ


お前と同じ、いや、それ以上の苦しみを与えてやる


だから、お前は何も心配しなくていい






・・・”美羽”



俺の妹