「・・・・俺は、もう、我慢しないって決めたんだ。

同じ人を二度失うのは嫌なんだ。

片田を失うぐらいなら、俺は身内との縁を切る。

俺は、彼女を誰にも渡さない」




「・・・・っ、なんだよそれ!!!」


匠は、ブルーローズの花を持てるだけ持って、床に投げ捨てた

それから、白いバラも同じように投げ捨てた


「こんなもの!!こんなもの!!」



床に散らばったバラの花を、匠は何度も何度も踏みつけた

そしてあらゆる花をなぎ倒し、床が花と水で溢れていく


「やめろ!!匠!!花に八つ当たりしても何にもならないんだぞ!?」


店の中を荒らし回る匠の腕を掴んで、柚希は止めたが暴走は止まらなかった

逆に掴まれた腕を強引に引き剥がしたために、匠は花が並ぶ列に弾けとんだ



「・・・・って、、、」


「おい、大丈夫か!?」


「来んな!!」駆け寄った柚希を手で追い払う匠


「・・・我慢しないってなんだよ。

俺との縁が切れても李生を選ぶって?

じゃあ、俺はどうしたらいいんだよ?

李生にも会えない、柚くんには縁を切られる、俺の周りの大人はどうかしてるよ、、、

なんで、なんでわかってくれないんだ。

どうしてこんなことになったんだ、、、、

どうして、、、、」


匠は転んだまま、肩を震わせている

李生と会えなくなってからずっと我慢していた涙が、ここにきて溢れてきたのだ