「匠くん、落ち着いて。お母さんともっと冷静に話し合ったほうがいい。君も酷くお母さんを誤解しているようだ」
政宗は、匠にまくし立てられて、少し足元がよろけた咲子を支えながら言った
母親が見ず知らずの男に抱きとめられているのを見ると、匠は余計に腹が立って仕方が無かった
自分には味方が一人もいないのに、なぜこんなに酷い母親を支えようとする人間がいるのだろう
「・・・誤解?
誤解ってなんですか?
あなたこそ、母さんの何を知っててそう言っているんですか?
というか、さっきから細かいことまで知っているような自信たぷりな口調ですよね。
・・・・母さん、あんた外で何人のことベラベラ話してんの、これじゃ俺と李生のことネットに流した奴と一緒じゃん。
ね、もしかしてあの犯人って、母さん自身だったんじゃないの、、、」
「・・・匠、何、言って・・・」
咲子はこれが全部自分の息子の口から出た言葉かと、現実を受け止めきれない様子で何も返せない
「・・・もう、いいよ。
本当に、誰も信じられない。
何もかもうんざりなんだ!!!」
匠は、勢いよく出口のドアを開けると出て行った