「ごめん、ちょっといいかな。他人の俺が口出しするのもなんだけど、一旦整理しようか。
君だって、ここに言い合いに来たわけじゃないだろ?」
「政宗くん・・・」
咲子は不安げな表情を浮かべた
「ごめん、咲子さん、俺に少し話しさせてくれるかな?」
「ええ・・・」
匠はその様子を怪訝に思いながらも黙って見ていた
「まず、君の探している女性はここにはいない。見ての通りだ。
それに、君のお母さんは、単にこの店の常連さんというだけで、たまたま今日君と居合わせてしまった、それだけなんだ」
咲子はけして常連ではなかったが、黙って聞いている
だが、匠はすかさず返した
「わかりました、母がたまたまここに居たのは取り敢えず信じます。
でも、李生、彼女がここに居ないのはどうしてですか?
今日はたまたま休みだっただけじゃないんですか?
俺はその人の弟だって人からここを聞いたんです、おかしいじゃないですか」
「だが、俺は知らない」
政宗は表情を変えず、最低限の単語しか発しない
故に、本当なのか、嘘なのか匠には測れない
「そうよ、匠。丁度いいわ、一緒に帰りましょう。これからのこと、もっとあなたとよく話し合いたいの」
咲子が口を挟むと、匠は途端に目を吊り上げた


