「たく、最初から素直にそう言いなよ」


匠は体を起こして、瑠璃の肩を抱いた


「・・・でも、暇だからっていう理由じゃやだ」


瑠璃は匠に抱かれて幸せだと感じる半分、匠の気持ちが自分に向いていないのを肌で感じている


「ん~、じゃどういう理由ならいいわけ?」


「あたしのこと・・・好き・・とか、そういう理由じゃなきゃ、なんか、やだ」


「ん~、瑠璃ってやっぱホント真面目なんだな。見た目は結構派手なのに」


匠はだんだん面倒になってきた

別に瑠璃と本当にキスしたいわけじゃない

ただどこか、どこか淋しい、そんな穴をもしかしたら埋められるんじゃないかと思うだけだ



「み、見た目は関係ないでしょ!?・・・も、なんかやだ。匠、いつだか騒ぎがあったあの人のことまだ好きなんでしょ!?」


瑠璃は一番聞きたくて、一番聞きたくない質問をした

その瞬間、匠は瑠璃を痛いほど抱きしめた


「・・・い、いたいよ、たくみ」


瑠璃は苦しくて、声を絞り出した


「スキダヨ・・・」


「ぇ・・・・」


今、匠・・・・誰が、スキ だって?

瑠璃はまた自分の中で匠に質問した

だが、匠から返ってきた答えは、


「る~りが♪だからキスしよ!」


匠は強く抱きしめていた瑠璃を離して、カラリとした声で言った


「好きなんだからオッケーなんだよね?」


そして、瑠璃の唇に自分の唇を強引に重ねた