咲子がカフェで寛いでいる間、匠は自宅で瑠璃と一緒にいた

この頃は、学校が終わると瑠璃といることが多くなった

いや、瑠璃が勝手についてくると言ったほうがいいだろう

別に恋人として付き合っているわけではない

瑠璃以外の同級生は、受験に備えて塾だのなんだのと忙しいからだ



「瑠璃、お前も無理しなくていいよ。
勉強とかあるだろ、毎日俺に付き合わなくてもいいし」


匠は制服のままだらりとベッドに寄りかかった

格段することがないからだ

瑠璃もその横に同じように座った



「あたしは大丈夫。帰ったらちゃんとやるから。パパに家庭教師付けられてるし、嫌でも勉強しなきゃいけないから」


「ふ~ん、瑠璃は意外と真面目なんだな。知らなかった」


「なによ!意外は余計だし!これでも匠と同じとこ受けようかな~って思ってたんだから!」


「あ、そうなの?」


匠は興味なさそうに言った


「そおだよっ!!」

瑠璃は顔を膨らませた


「はは、でも俺受験やめたし。つーか、もーなぁんにもやる気ないし」


「いいな~、匠は。あたしだって、匠が行かないなら別に行く意味ないし」


瑠璃は遠まわしにいつも好きだと言ってくる

それをわかっていて、匠はあえてそこに触れようとはしない

なのに、それを利用する


「じゃ、キスする?」


「・・・じゃ、じゃあって何よ、、、」


「だって、俺ら今、すっごく暇じゃん」


「暇って、・・・やだよ」


「あ、っそ。じゃいいや。適当に帰んなよ。俺は眠いし」


匠は、すっと瞳を閉じた


「ちょっと!!匠!!」

瑠璃は匠の腕を揺らした


「・・・も、なんだよ。瑠璃は一体何がしたいわけ?一緒にいても暇なだけじゃん」

匠は面倒そうに瞳を半分開ける



「・・・・いいよ、しても」


瑠璃が小声で言う