「・・・おいしい」

政宗が煎れるお茶は、どれも美味しい

確かに政宗のファンは多い、だがこのカフェが繁盛しているのは、単に彼が格好いいからだけではないのだ


「当たり前だ、俺が淹れたんだから」

「はぁ・・・」

こういう、自意識過剰というか俺様というか、そういう性格を自分に見せるということはもう李生は立派な政宗の身内になっていると判断していいのかもしれない

でも柚希同様、こんな二重人格のような政宗を嫌いになることは出来ないのだ


「それにしても、静かですねぇ。さっきまでの混雑が嘘みたい」

「・・・いや、もうすぐまた騒がしくなる」


政宗は壁掛けの時計に目をやった

丁度18時を指そうとしていた


「え・・・?」

李生が、同じく時計に目をやったとき、カフェのドアが勢いよく開いた