「いやよ!!聖は今日はわたしとだけいてよ!」

瑠璃も立ち上がり聖の腕を取った

「こらこら、瑠璃は俺をどうしたいんだ?No.1にしたいなら、指名を断るなんてしちゃいけないことだろ?
また話は聞くから、今日はお帰り」

「聖!!」


「ね、君、この子にタクシー1台お願いする」

聖は傍にいたボーイに声を掛けた
ボーイはすぐにタクシー手配に向かった


「聖ったら、ひどい!!パパに言いつけてやるんだから!!」

瑠璃はべーっと舌を出して、さっさと出口に向かった

「タクシーが来てから行きな」という聖の言葉を完全に無視して行ってしまった



「おーい!社長のお嬢さんが出てったぞ~!誰かついて行ってやれ!」


聖はひとつ大きなため息をついた



”俺は子供のお守りじゃないよ、瑠璃。

欲しいのはNo.1なんかじゃない

瑠璃、お前の本当に大切なもの全部だよ”



聖は、瑠璃の出て行ったドアを見つめてその言葉を思った
表情は固く、思いつめるようでもあった


しかし

「聖さ~ん、お願いします」

その声にまたホスト”聖”になり、次の指名客へ足を進めた