「こらこら、だからせっかくのネイルがって言ってるだろ?」


聖は瑠璃の口からそっと親指を外した

瑠璃はため息をついて、聖のスーツにしがみついた


「・・・そっか、あんまり上手くいってないみだいだな。この間、すごくいい手を考えたって言ってたのに失敗したのか?」


「・・・わかんない。上手くいったような、そうでないような、、、。せっかく付き合ってたオバサンを引き離したのに、匠ったら全然元気なくて、あたしの相手もしてくれない。

なんで?あんなオバサンよりずっとあたしの方が可愛いのに!」


「へぇ、瑠璃の好きな人は匠くんて言うんだね。、、、、年上の彼女がいたんだ、で、瑠璃はどんなことしたのかな?」


「えっと・・・・写真ばら蒔いた、ネットも使って。オバサン、塾の講師で匠の家庭教師だったんだ。だから、塾にも匠の家にも写真送って、ネットにも流しちゃった」


瑠璃は何のこともない簡単なことだと言った

聖は黙って話を聞いていた
瑠璃のしたことに讃とも否とも言わなかった


「ねぇ、聖これからどうしたら匠と付き合えるかなぁ?」


瑠璃がまた聖を見上げた時に、「聖さん、ご指名です」と声が掛かった


「ごめん、瑠璃。今日はここまでみたいだ。またおいで。あんまり遅いと社長が心配するよ?」


聖は、瑠璃から抱いていた腕をそっと外すと立ち上がった