匠はポンと2階のボタンを押す


「なんか密室って感じだね」


匠が嬉しそうにわたしの手に指を絡めてきたかと思うと、すぐに2階についてしまった


「ちぇ~、早すぎ」

匠はせっかく絡めた指をしょうがなく外した


「ふふ、バカ」

李生はそんな匠が妙に愛しくなり

開いたドアを閉のボタンを押して閉じる

「え?」李生の突然の行動に驚いて見上げた匠の唇に、自分の唇を重ねた



どうしてこんなに密室はいやらしい気持ちにさせるのだろう

さっき驚いていた匠さえ、この空気にあっという間に飲み込まれて、甘く震える舌を自分から絡めてはその味に酔いしれている

李生のやわらかなセーターを必死に掴んで、崩れ落ちそうな足元に耐えている


かわいい・・・


こういう匠が一番、かわいい


だから余計、いじわるしたくなる