‐Flower Grden of EDN‐

「でさ、やっぱりまた拾って帰ったんだよ。だって、怪我しているのに放っておけないだろ。

だけど、またこっぴどく怒られたね。でも俺、その時言ってやったんだ。

”ぼくのおうちは、人間の命しか救ってあげないの?みんな同じ命じゃないの?”って。

そしたらみんな黙ちゃって、クスクスクス」


志紀は当時を思い出したかのように、先ほどよりも長く口元で笑った

李生は今度もまったく笑えなかった

容姿端麗なだけに、クールに見える志紀は近寄りがたい雰囲気を醸し出した男だった



「ね、そのオリオン、今どうしてると思う?」


「ぇ・・・」


「1、まだ俺の家で元気に暮らしている 2、死んじゃった 3、俺の懐の中  さてどれでしょう?」


「アノ・・・」


李生は口ごもった

志紀の傘のお陰で、雨は遮られている、だけど・・・・

この状況で呑気にクイズに答える方がおかしかった

それでも志紀は構わず、カウントダウンしだした


「5、4、3、2、1、ブー、時間切れ。正解は・・・3番」


と、次の瞬間赤い傘がはらりと落ちる

赤い傘はまるで、真っ赤なボタンの花が潔く落ちていく様に似ていた

だが、同時に再び土砂降りが容赦なくからだを打ち付ける

李生はこの雨と、泥と血の匂いしかしない中、志紀のものだと思われるお香のような匂いに包まれた





「俺が守ってあげるよ、李生」




え・・・・


李生の流血した耳元で、志紀はそう囁いた