‐Flower Grden of EDN‐

「そんなことしても無駄だと思うな~」

若い男性職員が言った

李生はそちらを向く気にもなれなかった

しかし、その男は続けた


「だって、きっと今頃は犯人ネットに流してると思うし、そんなにたくさん貼ってあるなら、今頃この構内の生徒も写メしちゃってると思うしね~、犯人じゃなくてもネットに流しちゃうでしょ普通、こんな面白いことないし。

退屈な受験生にはもってこいのエサだよね~、ハハハハハ」


ネット・・・・


そんな・・・・


李生は背中から悪寒がしてならなかった

ガタガタとからだが勝手に震えだす

震えるからだ、無意識に手が口元に行き、乾いた唇に触れている

唇の震えなのか、指の震えなのか、すべてが小刻みに震えて、なにも言葉が出てこない、カラカラの喉


「先生・・・」


そばの女性職員も、もうなにも言葉にならない様子だった

ただへたり込む李生を見下ろすしかできなかった


・・

・・・・

・・・・・でも


でも


匠が・・・・・


李生はぐっと拳に力を入れ、床をお仕上げて立ち上がった


匠のことを、このまま放っておくわけにはいかない