‐Flower Grden of EDN‐

「・・・今まで、お世話になりました」


「そうですか。では、あとの事務手続きは職員に言っておきますので、もうここに顔をださなくても結構です」


塾長は李生から満足のいく言葉を得て、さらりと締めくくったかと思うと立ち上がり、出口へ向かう


「さあ、先生、いやもう先生ではありませんね、片田さん。どうぞお帰りください。
わたしはこれから、あなたが空けた穴を埋めに講義しなくてはなりません。

でも心配はいりませんよ?優秀な人材などすぐに見つかるものです。

それより、あなたの今後が大変ですね。こういう噂はこの業界では嫌われるものです。
そしてすぐに同業者に広がるもの。

あれ、余計なことですね、片田さんのように優秀な方には。ではお元気で」



最後まで、胸にズキズキと刺さる言葉を投げられて、李生はゆっくりと塾長が開け放った出口へ向かう

そして、李生が塾長のすぐそばを通りかかったとき

「馬鹿な女」

そう確かに彼は吐き捨てた


李生は心臓が止まりそうなぐらい、ドキリとし居た堪れなくなってそこから走り出した

後ろから、塾長の笑い声がするような気がする

李生はその笑い声から早く逃れたくて、とにかく構内を走った