・・・・

「・・・ふ~ん。で?」


頬杖をつきながら聞いていた政宗は、話を一通り聞くと言った

大して驚いてもいないように見えるのは、表情の起伏があまりないせいだろう


「・・・でっ、って、、、 だから、俺は・・・」


柚希は言葉を詰まらせる


「だから俺は・・?」

政宗は柚希の言葉を繰り返した

柚希は政宗のブルーがかった瞳を遠慮がちに見つめながら言った


「・・・政宗、あのさ、これってもしかしてチャンスなのかな?」


「さあ。でも、お前が言いたいのは、さらさら甥っ子を応援する気はない。むしろ、咲子さんに賛成。

そしてあわよくば、彼女を奪ってしまえるって言いたいんだろ?」


政宗に真意をすべて言われて、柚希は黙ってしまった

確かに、李生と匠が付き合っていたのはショックを隠しきれないし、李生自身にも、一体何を考えて匠と付き合っていたのか、


”本気か、否か、、、”


それに自分がずっと好きだった人が、まさか高校生の、自分の甥っ子と付き合っているだなんて考えもしなかった


だからと言って、今まで自分が抱いてきた李生への気持ちがそれで消えるはずもなく、姉の咲子は匠と李生さえ別れればいいと考えている

俺が李生とどうなろうと、関係ないという口ぶりだった



・・・・だけど、匠は?


あいつはきっと、・・・・本気だ


だって、誕生日のずっと前から、李生へのプレゼントを考えて俺に相談してきたのだから

あの日の匠を見て、どうしてそうと気がつかなかったのだろう

そして、あの時李生が泣きそうになりながら、花を受け取った真意をなぜ追求しなかったのだろう