「うん。黒くて小さくてカワイイの」

わたしは大好きなチョコチップと。


「松子さんとこの犬?」

美幸は、抹茶アイスとの和風の組み合わせだ。


「そう。要さんに見てもらったの」


「ああ、要さんのオススメなら間違いないよ。あの人、『聴き耳』だから」


「『聴き耳』って?」


美幸は口の中のアイスを飲み込んだ。


「動物や植物の声が分かるの。木造なら、建物のも」


へっ?


「警察官になる前も、県警によく呼ばれるって噂、あったわね」

亜由美も知っているらしい。


「噂じゃなくて真実。よくテレビでFBIがやってるじゃない」


「超能力を使ったプロファイリング?」


「そうそう、そんなやつ。正式な証拠にはならないけど、捜査の役に立つらしいよ」


びっくり


「だから、そのワンコは最初から志鶴を気に入ってるはず」