手にしていた物は、圭吾さんのパジャマの上側だった。


これなら取り合えずお尻まで隠れるから、まっいいか。


圭吾さんを気にしながら、ゴソゴソと着る。


こういう時、自分がものすごく無知で不器用な気がする。


大人の女性は、こんな場面でどういう態度を取るものなの?


「もういいよ」


わたしのバカ――かくれんぼみたいじゃない。


圭吾さんが半身になって振り向いた。


わたしは落ち着きなく髪に手をやって、

「グチャグチャになってる?」

って聞いた。


圭吾さんはニッコリと笑って、わたしの髪を指で梳かした。


「綺麗だよ」


心臓が跳ね上がった。


髪、きっともつれてる。

おまけにスッピンだし。